【融資に失敗しないための9つの条件】銀行審査を通過する必須ポイントを税理士が解説

会社の未来を賭けた、金融機関への融資申し込み。それは、多くの経営者にとって、まるで採点基準の分からない、難しい試験に臨むようなものかもしれません。

「何が、審査の合否を分けるのだろう?」
「どこを、どう準備すれば、成功の確率を高められるのだろうか?」

しかし、ご安心ください。融資の審査は、決して運や担当者の気まぐれで決まるものではありません。金融機関が、あなたの会社に「この会社になら、安心してお金を貸せる」と判断するためには、明確で、論理的な「採点基準」が存在します。

つまり、融資に失敗しないための最も確実な方法は、その「採点基準」を事前に正確に理解し、一つひとつの項目で、着実に高得点を積み上げていくことなのです。

この記事は、その金融機関の内部にある「採点基準表」を、あなたのためだけに公開するものです。新宿で、数えきれないほどの企業の資金調達を成功に導いてきた私たちが、融資に失敗しないための絶対的な条件を、「経営者個人」「会社の過去・現在」「会社の未来」という3つの側面から、9つの必須項目に分けて、その具体的な対策と共に、徹底的に解説していきます。

第1章:【経営者個人の条件】事業の前に、まず「あなた」が審査されている

中小企業の融資、特に創業融資において、金融機関が最初に見るのは、事業そのものよりも、それを動かす「経営者、あなた自身」です。あなたが、そもそも「信用に足る人物か」という、人間性の土台が審査されます。

条件1:個人の信用情報に、傷がないこと

金融機関の視点:「この方は、ご自身のクレジットカードやローンの支払いを、日常的に遅延している。個人のお金の管理さえ杜撰な方に、会社の大きなお金を、責任をもって管理できるはずがない。」

これは、融資審査における、最も基本的で、そして最も冷徹な足切りラインです。金融機関は、申し込みを受けると、必ずCICやJICCといった個人信用情報機関に、あなたの信用情報を照会します。過去5年~10年以内に、クレジットカード、カードローン、携帯電話の分割払いなどで、長期の延滞や、債務整理、自己破産といった金融事故の記録(いわゆるブラックリスト)があれば、その時点で、融資の可能性はほぼゼロになります。

対策:融資を申し込む前に、一度、ご自身の信用情報を、各信用情報機関から取り寄せて確認しましょう。万が一、身に覚えのない記録があれば、修正を申し立てることができます。

条件2:税金・公共料金・家賃などを、遅延なく支払っていること

金融機関の視点:「納税や、家賃の支払いは、社会人としての、そして国民としての、最低限の義務。その義務を果たしていない方は、事業主としての責任感も欠如している可能性が高い。」

信用情報には載らない、しかし、それ以上にあなたの「誠実さ」を測る指標。それが、税金(所得税、住民税など)、社会保険料、そして、家賃や水道光熱費といった、支払うべきものを、期日通りに支払っているか、という点です。面談の際には、これらの支払状況が分かる通帳の提示や、「納税証明書」の提出を求められることが、非常に多くあります。ここに滞納の記録があれば、致命的なマイナス評価となります。

対策:全ての支払いは、必ず期日通りに行うこと。もし滞納があれば、申し込みの前に、完全に解消しておくことが絶対条件です。

条件3:計画的に準備してきたことが分かる「自己資金」があること

金融機関の視点:「この事業のために、3年前から、毎月コツコツと5万円ずつ貯めてきたことが、通帳の履歴から見て取れる。この方は、強い覚悟と、計画性を持って、この事業に臨んでいるに違いない。」

自己資金は、単なる金額の大小だけでなく、その「質」と「ストーリー」が重要です。融資申込の直前に、出所不明のお金が一度に振り込まれた「見せ金」は、すぐに見抜かれます。あなたの事業への本気度を証明する最高の証拠は、長期間にわたる、計画的な貯蓄の軌跡なのです。

対策:起業を決意したその日から、事業専用の口座を作り、そこに毎月、決まった額を貯蓄していく習慣をつけましょう。その通帳が、将来、あなたの夢を叶えるための、最強の武器となります。

第2章:【会社の過去・現在】融資に勝つための「決算書」とは

経営者個人の信用がクリアできたら、次に問われるのが、会社の「今」の健康状態です。その診断書となるのが、「決算書」です。

条件4:事業が、健全な利益を生み出していること(黒字であること)

金融機関の視点:「損益計算書を見ると、しっかりと黒字を確保できている。本業で、きちんと利益を出せる、稼ぐ力のある会社だ。」

当然のことながら、事業が黒字であることは、融資を受けやすくするための、非常に重要な要素です。ただし、赤字だからといって、即座に融資が不可能になるわけではありません。「なぜ赤字なのか」の理由が、将来の成長のための、計画的な先行投資(広告宣伝費や開発費など)であることが、事業計画書で合理的に説明できれば、評価される可能性は十分にあります。

対策:日々の経営において、無駄なコストを削減し、利益を出せる体質を作ることが、最大の融資対策です。

条件5:会社の財務体質が、安定していること

金融機関の視点:「貸借対照表を見ると、自己資本比率も高く、債務超過でもない。短期的な支払い能力も問題ない。安定した、倒産しにくい会社だ。」

銀行は、利益だけでなく、貸借対照表に示される、会社の「安定性」を重視します。特に、返済不要の自分のお金である「純資産」が、総資産のどれくらいの割合を占めるかを示す「自己資本比率」は、重要な指標です。この比率がマイナス、すなわち「債務超過」の状態であれば、融資は極めて困難です。

対策:私たちのような税理士と、月次で経営状況を確認し、自社の財務状況の強みと弱みを、常に把握しておくことが重要です。決算の半年前には、銀行評価を上げるための準備をし、融資を受けやすい決算書を作成することが可能です。

第3章:【会社の未来】金融機関を納得させる「計画」と「説明責任」

過去と現在の健全性が証明できたら、最後は、未来の可能性を、説得力をもって提示する段階です。

条件6:借りたお金の使い道(資金使途)が、明確かつ妥当であること

金融機関の視点:「この1,000万円は、何に、いくら、いつ使うのか。その投資は、本当に、会社の売上と利益の向上に、直接的に繋がるのか。」

「運転資金として、なんとなく」では、1円も借りることはできません。設備資金であれば、その全てに業者からの「見積書」を添付し、運転資金であれば、「なぜ、3ヶ月分の経費が必要なのか」を、詳細な資金繰り表を基に、論理的に説明する必要があります。

対策:資金繰り表を作成し、借りたお金が、どのように事業に投下され、そして、どのように会社のキャッシュフローを改善していくのか、その道筋を、明確に可視化します。

条件7:返済の原資(返済原資)が、十分に確保されていること

金融機関の視点:「事業計画書の収益計画を見ると、税引後利益に、減価償却費を加えた返済原資が、年間返済額を十分に上回っている。これなら、確実に返済してもらえるだろう。」

返済の原資は、利益そのものではありません。会計上の利益に、実際には現金の支出を伴わない経費である「減価償却費」を足し戻したものが、返済能力を測るための、より実態に近い指標となります。この返済原資が、年間の返済額を大きく上回るような、余裕のある収益計画を立てることが重要です。

対策:希望する借入額から、年間の返済額を逆算し、それを賄うだけの利益計画を、具体的な根拠と共に、事業計画書に落とし込みます。

条件8:事業の将来性を感じさせる、説得力のある事業計画書があること

金融機関の視点:「この事業計画書は、市場の分析、競合との差別化、そして、自社の強みが、具体的なデータと共に、一貫したストーリーとして描かれている。この経営者になら、未来を託せるかもしれない。」

特に、創業融資や、決算内容が思わしくない場合の融資では、この事業計画書が、あなたの会社の未来を語る、唯一の武器となります。ただし、計画は、決して壮大であれば良い、というものではありません。身の丈に合った、しかし、確かな成長への道筋が描かれた、実現可能な数値計画こそが、担当者の心を動かします。

対策:これまでの全ての条件を、一つの、矛盾のない、説得力のある物語として編み上げる。それが、事業計画書の作成です。

条件9:全ての計画を、自分の言葉で語れる「当事者意識」があること

金融機関の視点:「素晴らしい計画書だが、面談で質問すると、社長本人が数字の根拠を理解していない。これでは、計画を実行できるはずがない。」

最後の条件は、あなた自身の「姿勢」です。どんなに素晴らしい書類も、それを、あなたが、あなた自身の言葉で、情熱と自信を持って語れなければ、ただの紙切れになってしまいます。

対策:専門家と、二人三脚で、事業計画書を「創り上げる」こと。そして、完成した計画書を基に、何度も模擬面接を繰り返し、計画の全てを、完全に自分の血肉とすること。

結論:融資の成功とは、これらの「条件」を、事前に満たしておくこと

融資に失敗しないための条件。それは、魔法のような裏ワザではありません。それは、ここまで見てきた9つの条件を、融資を申し込む、ずっと前の段階から、いかに計画的に、そして、着実にクリアしていくか、という、地道な準備の積み重ねに他なりません。

そして、その地道で、専門的な準備の全てのプロセスにおいて、あなたの会社の「主治医」であり、「参謀」となり、そして「交渉代理人」となるのが、私たち荒川会計事務所のような、融資に強い税理士です。

私たちは、決算の半年前から、融資に強い決算書の作成を計画し、あなたの事業計画の、論理的な矛盾点を、プロの目で厳しくチェックし、そして、面談のその瞬間まで、あなたの隣で、共に戦います。

あなたの会社は、融資に失敗しない「条件」を満たしていますか?

銀行の扉を叩く、その前に。
まずは無料相談で、あなたの会社の「融資成功確率」を、私たち専門家に診断させてください。

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