【創業融資は自分でできる?】専門家なしの申請が危険な5つの理由|税理士が解説

事業を始めるための、あと一歩。それを後押ししてくれるのが「創業融資」です。

そして、融資を考え始めたあなたの頭の中には、今、一つの大きな問いが浮かんでいることでしょう。

「この融資申請、税理士などの専門家に依頼すべきか?
それとも、費用を節約して、自分一人の力で挑戦すべきか?」

結論から申し上げます。ご自身一人で創業融資を申請し、審査を通過することは、不可能ではありません。実際に、毎年、独力で融資を勝ち取る起業家の方もいらっしゃいます。

しかし、私たちは、起業家の皆様の夢の実現を日々サポートする専門家として、その選択が、いかに危険を伴うものであるかをお伝えしなければなりません。

専門家を通さずに、ご自身で創業融資に臨むこと。それは、航海術を学ばずに、自作のイカダで、たった一人で大海原に乗り出すようなものです。奇跡的に目的地にたどり着けるかもしれませんが、その成功確率は著しく低く、途中で計画が座礁したり、遭難(審査落ち)したりするリスクも非常に高い、極めて危険な挑戦なのです。

この記事では、その航海に潜む具体的な「嵐」や「見えない岩礁」の正体を明らかにし、なぜ専門家という「経験豊富な航海士」をパートナーに迎えることが、あなたの事業の成功にとって、最高の「投資」となるのかを、徹底的に解説していきます。

なぜ、独力での申請は「危険な挑戦」なのか?あなたが一人で越えなければならない「5つの壁」

「情熱と良いアイデアさえあれば、きっと分かってもらえるはず」。そう信じたい気持ちは、痛いほど分かります。しかし、金融機関は、あなたの情熱と同じくらい、あるいはそれ以上に、冷徹な「数字」と「ロジック」を見ています。独力での挑戦は、このギャップを埋めることができず、失敗に終わるケースが後を絶ちません。

壁1:想いを「金融機関の言語」に翻訳できない、「事業計画書」の壁

創業融資の成否は、9割が事業計画書の質で決まります。しかし、多くの起業家が作成する事業計画書には、共通の「落とし穴」があります。

  • 希望的観測でしかない「売上計画」:「頑張れば月商100万円くらいはいくはず」といった、具体的な根拠(客単価、客数、回転率、市場規模など)に基づかない売上計画は、担当者から「夢物語」と一蹴されてしまいます。
  • 甘すぎる「費用計画」:家賃や人件費だけでなく、社会保険料の会社負担分、広告宣伝費、消耗品費、税金(消費税など)といった、見落としがちな経費を考慮していないため、すぐに資金繰りが破綻する計画だと見抜かれます。
  • 説得力のない「競合分析と差別化」:「競合はいません」「うちのサービスは最高です」といった主観的なアピールだけでは、なぜお客様が競合ではなく、あなたの会社を選ぶのかを、論理的に説明できていません。

事業計画書は、あなたの夢を語るポエムではありません。金融機関という投資家に対して、「あなたの貸すお金が、どのように利益を生み、そして確実に返済されるのか」を、客観的な数字とデータで証明する、冷徹な「ビジネス文書」なのです。

壁2:そもそも相談先を間違える、「金融機関選び」の壁

「融資といえば、まずは近所の銀行だろう」。この思い込みも、貴重な時間を無駄にする原因です。実績のない創業期の事業に対して、メガバンクや地方銀行が、いきなりリスクを取って直接融資(プロパー融資)を行うことは、まずありません。相談に行っても、「まずはご自身で実績を作ってから来てください」と、門前払いされるのが現実です。

創業者がまず検討すべきは、日本政策金融公庫なのか、それとも自治体の制度融資なのか。そして、制度融資を使うなら、どの銀行・信用金庫が、あなたの事業に理解を示してくれそうなのか。この「相談先の見極め」は、専門家でなければ非常に難しい判断です。

壁3:甘い見通しを打ち砕かれる、「面談」の壁

書類審査を通過しても、最後には必ず融資担当者との面談が待っています。面談は、あなたの事業計画書が、本当にあなた自身の血肉となっているかを試される「最終試験」です。

担当者は、事業計画書の数字を指さし、こう質問してきます。「この売上目標、もし半分しか達成できなかった場合、どうやって返済していくつもりですか?」「なぜ、仕入先はA社なのですか?B社の方が安いように見えますが」「3年後に、本当にこの利益が出るとお考えですか?その根拠は何ですか?」

これらの鋭い質問に対し、その場でよどみなく、論理的に、そして自信を持って答えることができますか?準備不足の面談は、あなたの計画の甘さを露呈させ、経営者としての信頼を失うだけの結果に終わってしまいます。

壁4:融資希望額が「過小」または「過大」になる、資金計画の壁

「いくら借りれば良いか」という、融資希望額の算定も、独力では非常に難しいポイントです。

  • 過小な希望額:「とりあえず、少なめなら通りやすいだろう」と、本当に必要な額よりも少ない金額で申し込んでしまうケース。無事に融資が通っても、数ヶ月後には運転資金が底をつき、結局、事業が立ち行かなくなってしまいます。
  • 過大な希望額:必要な経費を、どんぶり勘定で多めに見積もり、自己資金や事業規模に見合わない、過大な金額を申し込んでしまうケース。担当者からは「計画性がない」「金銭感覚が甘い」と判断され、審査に落ちる原因となります。

壁5:膨大な時間と労力を奪われる、「機会損失」の壁

仮に、あなたが非常に優秀で、これらすべての壁を自力で乗り越えられたとしましょう。しかし、そのためには、慣れない書類作成や情報収集に、おそらく50時間から100時間、あるいはそれ以上の膨大な時間を費やすことになります。

その時間があれば、あなたは経営者として、本来何をすべきだったでしょうか?
商品・サービスの開発、見込み客へのアプローチ、Webサイトの構築、提携先の開拓…。これらの、あなたの事業の成功に直結する「コア業務」にこそ、あなたの貴重な時間は使われるべきだったのではないでしょうか。融資準備に忙殺されることによる「機会損失」は、目に見えない、しかし最大のコストなのです。

専門家への依頼は「コスト」か?それとも「投資」か?

「それでも、専門家への依頼費用は安くない…」。そう思われるかもしれません。しかし、その費用を、あなたの事業の未来を左右する「投資」として捉え、具体的なリターンを考えてみましょう。

【ケーススタディ】融資800万円を目指す、あなたの選択

Aさん(自分で申請) Bさん(専門家に依頼)
専門家への費用 0円 約20万円(成功報酬と仮定)
審査結果 計画の甘さを指摘され、審査落ち。融資額 0円。 計画の実現性を高く評価され、満額承認。融資額 800万円。
最終的な手元資金 0円。事業計画の大幅な見直しを迫られる。 780万円。計画通りに事業をスタートできる。
さらに… 一度審査に落ちると、再申請のハードルは格段に上がる。 専門家が計画を精査し、1,000万円の融資を提案。結果、1,000万円の融資に成功。

この場合、Aさんは20万円を節約した代わりに、事業を始めるチャンスそのものを失いました。一方、Bさんは20万円を「投資」したことで、780万円、あるいはそれ以上の未来への軍資金を手に入れたのです。どちらが賢明な経営判断かは、もはや説明不要でしょう。

結論:あなたの夢に、最高のエール(支援)を

創業融資は、あなたの夢の実現可能性を、社会に初めて問う、厳粛な儀式です。その晴れの舞台に、準備不足のまま、たった一人で臨むべきではありません。

私たち荒川会計事務所は、単に書類の書き方を教える先生ではありません。あなたの事業の可能性を、誰よりも信じ、その価値を最大限に引き出して、金融機関に伝える「代弁者」であり、面談のその瞬間まで、あなたの隣で共に戦う「セコンド」です。

あなたの挑戦を、「無謀な賭け」から、「勝算のある計画」へと昇華させる。それこそが、私たち起業支援専門税理士が提供する、本当の価値なのです。

あなたの夢の価値を、最大限に引き出しませんか?

費用を節約した結果、夢への扉が閉ざされてしまう前に。
まずは無料相談で、あなたの事業の可能性と、最適な資金調達戦略について、私たちにお聞かせください。

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