【融資の始め方】借入は何から?融資審査を成功させる全手順を税理士が解説

事業の成長を加速させるため、あるいは、夢に描いたビジネスを形にするため、「融資を受けたい」という想いを抱いているあなた。しかし同時に、その壮大な目標を前に、「一体、何から手をつければいいのか、全く見当がつかない…」と、途方に暮れてはいないでしょうか?

多くの起業家・経営者様が、この「最初の一歩」でつまずいてしまいます。「とりあえず銀行に話を聞きに行ってみよう」「よく分からないけど、まずは事業計画書を書き始めてみよう」――。残念ながら、こうした準備不足のまま闇雲に動き出すと、貴重な時間と、一度しか無いかもしれない大切なチャンスを無駄にしてしまうことが少なくありません。

融資の準備は、正しい「順番」で、一つ一つのステップを着実にクリアしていくことが、成功への唯一の道です。

この記事は、あなたがその正しい道を迷わず進むための「融資準備のスタートアップガイド」です。新宿で数えきれないほどの資金調達を成功させてきた私たちが、「融資を思い立った瞬間」から「審査に臨むまで」の全手順を、具体的なアクションプランとしてナビゲートします。この記事を読めば、あなたの「何から始めれば?」という漠然とした不安は、「次に何をすべきか」という明確な自信へと変わるはずです。

【STEP 0】すべての準備の前に:あなたの「現在地」をセルフチェックする

本格的な準備を始める前に、まずあなたの「足元」を確認することが何よりも重要です。なぜなら、これからご紹介する項目は、金融機関が審査の際に必ずチェックする、あなたの「土台」となる部分だからです。この土台が揺らいでいると、どんなに素晴らしい事業計画も砂上の楼閣となってしまいます。

融資準備スタート前・自己診断チェックリスト

  • 信用情報:税金(法人税、所得税、住民税など)や社会保険料に、滞納はありませんか?
  • 信用情報:電気、ガス、水道などの公共料金や、携帯電話料金の支払いに遅延はありませんか?
  • 信用情報:お持ちのクレジットカードや、既存のローン(住宅ローン、自動車ローン等)の返済は、遅延なく行われていますか?
  • 自己資金:事業のために準備した自己資金は、通帳に履歴が残る形でコツコツ貯めてきたものですか?(タンス預金や、数日前に突然入金された「見せ金」ではありませんか?)
  • 経験・スキル:これから融資を受けたい事業と、あなたのこれまでの職務経歴には、強い関連性がありますか?

もし、このチェックリストで一つでも「いいえ」や「不安な点」があれば、その問題を解決することが、融資準備の本当のスタートラインです。税金の滞納があれば納税し、支払いの遅延があれば解消する。自己資金の出所が不明瞭であれば、その経緯を説明できる資料を準備する。この最初の段階で私たちのような専門家にご相談いただければ、あなたの状況に応じた最適な対策を立て、クリーンな状態で次のステップへと進むことができます。

【STEP 1】なぜお金が必要か?「資金使途」と「必要額」を明確にする

あなたの「現在地」が確認できたら、次に行うべきは「目的地」を明確にすることです。つまり、「何のために、いくらのお金が必要なのか」を1円単位で具体化していきます。

  • 「設備資金」と「運転資金」に分けて書き出す
    まずは、紙とペンを用意し、必要なものをすべてリストアップしましょう。
    ・設備資金:事業を行うために必要な「モノ」への投資です。店舗の保証金や内装工事費、厨房機器、PC、事業用車両などがこれにあたります。ポイントは、必ず業者から正式な「見積書」を取得すること。見積書が、金額の客観的な根拠となります。
    ・運転資金:事業を回していくための「日々の経費」です。商品の仕入代金、従業員の人件費、事務所の家賃、広告宣伝費などです。ポイントは、「なぜその金額が必要か」の計算根拠を明確にすること。例えば、「人件費:月給30万円×2名×3ヶ月分=180万円」のように、具体的な計算式で示せるようにします。創業当初は売上が安定しないため、最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分の運転資金を確保するのが理想です。
  • なぜこれが重要か?
    資金使途が曖昧なまま「とりあえず500万円貸してください」と言っても、金融機関は絶対にお金を貸してくれません。「借りたお金が、事業の成長に直結する有効な投資に使われる」ということを、具体的な数字と資料で証明して初めて、融資担当者は検討のテーブルについてくれるのです。

【STEP 2】誰に相談すべきか?あなたの状況に合った「金融機関」を選ぶ

必要な金額が固まったら、いよいよ相談先を検討します。しかし、ここで闇雲に近所の銀行に飛び込むのは得策ではありません。あなたの会社のステージに合った、適切な金融機関を選ぶことが成功の鍵です。

【創業者・小規模事業者の方】→ 日本政策金融公庫、または信用金庫・信用組合
・日本政策金融公庫:国の政策に基づいて運営されており、創業者や中小企業の支援を最大の目的としています。民間の金融機関に比べて、実績がなくても事業の将来性を評価してくれる傾向が強く、無担保・無保証の融資制度も充実しています。創業融資を考えるなら、まず最初に検討すべき最有力候補です。
・信用金庫、信用組合:地域に根ざした金融機関で、地元のビジネスを応援するという姿勢が強いのが特徴です。担当者との距離も近く、親身に相談に乗ってくれることが多いです。
【すでに事業実績がある方】→ 地方銀行、信用金庫・信用組合
決算書などの実績があれば、取引の幅が広がります。メインバンクとして付き合っている金融機関があれば、まずはそこに相談するのが良いでしょう。

【プロの視点】
私たち荒川会計事務所は、特に日本政策金融公庫の融資サポートに豊富な実績があります。公庫の審査担当者との良好な関係を築いているため、あなたの事業の魅力を的確に伝え、審査をスムーズに進めることが可能です。あなたの状況をヒアリングした上で、最適な金融機関と融資制度をご提案させていただきます。

【STEP 3】想いを数字に落とし込む「事業計画書」を練り上げる

これまでの準備の集大成として、融資審査の最も重要な書類である「事業計画書」を作成します。これは、あなたの事業への想いを、金融機関が理解できる「ロジック」と「数字」の言語に翻訳する作業です。

事業計画書は、この6つのパーツでできている

  1. 創業の動機:なぜ、あなたはこの事業を始めたいのか?(情熱とストーリー)
  2. 経営者の経歴:なぜ、あなたならこの事業を成功させられるのか?(経験と能力の証明)
  3. 商品・サービスの内容:どんな価値を提供するのか?競合との違いは何か?(事業の魅力)
  4. 取引先・販売戦略:誰に、どうやって売っていくのか?(マーケティング計画)
  5. 必要な資金と調達方法:STEP 1で固めた、お金の使い道と希望額。
  6. 事業の見通し(数値計画):どうやって利益を出し、借入金を返済していくのか?(返済能力の証明)

【初心者が挫折する最大の壁】
多くの方が、特に「6. 事業の見通し(数値計画)」で筆が止まってしまいます。売上予測、原価計算、利益計画、資金繰り計画…。これらの数字を、希望的観測ではなく、客観的な根拠に基づいて作成するには、専門的な知識と経験が必要です。この数値計画の精度が、あなたの融資可能額と審査の成否を直接的に左右します。

【STEP 4】最終プレゼンテーション「面談」の対策を万全にする

どんなに素晴らしい事業計画書も、それを自分の言葉で情熱的に、そして論理的に語れなければ意味がありません。面談は、あなたの経営者としての資質をアピールする最終プレゼンテーションの場です。

  • 面談は「事業計画書の質疑応答」の場
    担当者は、あなたが本当に事業計画書の内容を理解し、自分の言葉で語れるかを見ています。書類に書かれている数字の根拠や、計画通りにいかなかった場合のリスク対策など、深い部分まで突っ込んだ質問がされます。
  • 最高の準備は「模擬面接」
    頻出質問に対する回答を準備するのはもちろんですが、最も効果的な対策は、専門家を相手にした実践的なロールプレイングです。予期せぬ質問への対応力や、自信のある立ち振る舞いを身につけることができます。

まとめ:融資準備は「段取り」が9割。そして、最高の段取りは「専門家」と始めること

ここまで、融資を受けるために「何から始めるか」の具体的なステップを見てきました。

【STEP 0】現在地の確認 → 【STEP 1】必要額の明確化 → 【STEP 2】金融機関の選定 → 【STEP 3】事業計画書の作成 → 【STEP 4】面談対策

この正しい順番で、一つ一つのステップの質を高めていくことが、融資成功への最短ルートです。しかし、お気づきのように、これらすべてを完璧に、しかも本業の準備と並行して行うのは、まさに超人的なタスクです。

だからこそ、私たちは、「何から始めたらいいか分からない」と感じた、その最初の瞬間こそが、専門家である税理士に相談する絶好のタイミングだと考えています。

私たち荒川会計事務所にご相談いただければ、STEP 0のあなたの現状分析から、最後の面談対策、そして当日の同行まで、融資準備のすべてのプロセスに最初から最後まで寄り添い、あなたの資金調達を成功へとエスコートします。一人で悩み、貴重な時間を無駄にする前に、まずは私たちの無料相談の扉を叩いてみてください。

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