高い専門スキルを武器に、フリーランスとして独立し、着実に収入を増やしてきた、あなた。その自由な働き方と、努力が正当に報われる収入に、大きなやりがいを感じていることでしょう。
しかし、年収が800万円、1,000万円と大台を超えるにつれて、あなたは、ある一つの、無視できない現実に直面します。
「稼いでも、稼いでも、その利益の多くが、
『税金』と『社会保険料』で消えていく…」
所得が増えるほど税率が上がる「所得税」の壁。そして、上限なく増え続ける「国民健康保険料」の重圧。あなたの高い技術力と、血の滲むような努力の結晶が、手元に残らず、ただただ国に吸い上げられていくような、無力感に苛まれてはいませんか?
もし、あなたがそのように感じているのなら、それは、あなたの事業が、個人事業主という「器」では、もはや手狭になっている、という明確なサインです。そして、その問題を解決し、あなたの「手取り額」を合法的に、そして劇的に最大化するための、最強のソリューション。それが、「法人成り(法人化)」です。
この記事では、新宿で数多くのITエンジニア、フリーランスの方々の法人成りをサポートしてきた私たちが、なぜ、法人化が、高収入のエンジニアにとって、究極の節税策となるのか。その具体的な「税金の仕組み」から、「社会保険のメリット」、そして、実際に会社を設立するための「手続き」まで、あなたが知るべき全ての知識を、徹底的に解説していきます。
第1章:なぜ、年収1,000万円が「法人化」の分水嶺なのか?
「法人化を考えるべきタイミングは?」という問いに対し、私たちは、ITエンジニアのような、経費が比較的少なく、利益が出やすい業種の方には、「課税所得が800万円~1,000万円に達した時」と、明確にお答えしています。その理由は、個人と法人にかかる「税金」と「社会保険」の構造的な違いにあります。
「所得税」vs「法人税」― 累進課税の壁を越える
個人事業主の利益(所得)には、稼げば稼ぐほど税率が高くなる「所得税」が課せられます。一方、法人の利益には「法人税」が課せられます。この税率の差が、法人化の大きなメリットを生み出します。
| 課税所得 | 所得税率(個人) | 法人税率(中小法人) |
|---|---|---|
| ~800万円 | 5%~23% | 15% |
| 800万円超~900万円以下 | 23% | 23.2% |
| 900万円超~1,800万円以下 | 33% | 23.2% |
ご覧の通り、所得が900万円を超えると、所得税率は33%に跳ね上がりますが、法人税率は23.2%のままです。この税率差を利用し、法人化して、あなたへの給与(役員報酬)を支払うことで、高い税率帯を回避し、トータルの税負担を軽減できるのです。
「国民健康保険料」の恐怖 ― 上限なき負担からの脱出
高収入の個人事業主にとって、所得税以上に重い負担となるのが、「国民健康保険料」です。多くの市区町村では、所得が増えれば増えるほど、保険料も青天井に増え続け、年間で100万円を超えることも珍しくありません。
一方、法人化して、会社から役員報酬を受け取る立場になると、あなたは「健康保険(協会けんぽ等)」に加入します。健康保険料は、あなたの給与(標準報酬月額)に基づいて計算され、明確な「上限」が設けられています。これにより、所得がどんなに増えても、保険料が無限に上がり続ける、という恐怖から、完全に解放されるのです。
第2章:【徹底シミュレーション】年収1,200万円エンジニアの手取りは、いくら変わるか?
では、実際に法人化すると、あなたの「手取り額」は、どれくらい変わるのでしょうか。フリーランスのITエンジニア、鈴木さん(40歳未満・独身・新宿区在住)が、年間1,200万円の利益(所得)を上げたケースで、具体的にシミュレーションしてみましょう。
ケース1:個人事業主のままの場合
所得1,200万円に対して、各種の税金・社会保険料が課せられます。
- 所得税・住民税・事業税: 約410万円
- 国民健康保険料・国民年金保険料: 約125万円
- 税金・社会保険料 合計: 約535万円
- 最終的な手取り額: 1,200万円 - 535万円 = 約665万円
実に、稼いだお金の45%近くが、税金と社会保険料で消えていく計算です。
ケース2:一人会社を設立し、役員報酬を月50万円(年収600万円)に設定した場合
利益1,200万円を、会社の利益600万円と、社長個人の給与600万円に分散します。
【会社側の負担】
- 法人税等(利益600万円に対して): 約135万円
- 社会保険料の会社負担分: 約90万円
- 会社側の負担合計: 約225万円
【個人側の負担】
- 所得税・住民税(給与600万円に対して): 約80万円
- 社会保険料の個人負担分: 約90万円
- 個人側の負担合計: 約170万円
全体の税金・社会保険料 合計: 225万円 + 170万円 = 395万円
最終的な手取り額: 1,200万円 - 395万円 = 約805万円
驚くべきことに、このシミュレーションでは、法人化し、役員報酬を最適化するだけで、年間で約140万円も、手取り額が増える結果となりました。これは、法人化がいかに強力な節税策であるかを、明確に示しています。
※税額・保険料は各種控除等を簡略化した概算値であり、実際の金額は個別の状況により大きく異なります。第3章:ITエンジニアだからこそ使える!法人化の節税メリット深掘り
上記のシミュレーションに加えて、法人は、ITエンジニアの働き方と、非常に相性の良い、様々な節税の選択肢を提供してくれます。
- 社宅制度で、家賃を経費にする:自宅で仕事をするエンジニアにとって、これは最大のメリットの一つです。個人事業主の「家事按分」では、家賃の20%~30%程度しか経費にできませんでした。しかし、法人化して、自宅を会社名義で契約し、あなたに「社宅」として貸し出すことで、家賃の50%以上、場合によっては90%近くを、会社の経費にすることが可能です。家賃20万円のマンションなら、年間100万円以上の、新たな経費を生み出すことができます。
- 消費税の免税メリット:あなたが、現在、消費税の課税事業者(2年前の売上が1,000万円超)である場合、法人成りすることで、新会社は、原則として、設立から最大2年間、消費税の納税が免除されます。これは、年間数十万円~百万円単位のキャッシュが、そのまま手元に残る、極めて強力な節税策です。(インボイス制度登録の有無により判断は異なります)
- 倒産防止共済(経営セーフティ共済)の活用:この制度に加入し、掛金(最大で年間240万円)を支払うと、その全額を会社の経費にすることができます。将来、取引先が倒産した際の貸し倒れに備えながら、利益を繰り延べることができる、非常に有効な節税策です。
- 役員退職金の準備:あなたは、将来、自分が引退する時のために、会社から、自分自身へ「退職金」を支払う準備ができます。退職金は、会社の経費になるだけでなく、受け取る個人側も、税制上、極めて優遇されています。これは、個人事業主には決して真似のできない、法人ならではの究極の資産形成術です。
第4章:【実践ガイド】ITエンジニアのための、会社設立手続き
では、実際に会社を設立するには、どうすれば良いのでしょうか。その手順と、ITエンジニアならではの注意点を解説します。
STEP 1:会社の基本設計
まず、会社の骨格を決めます。ここでの設計が、後々の運営と税金に影響します。
- 会社形態:一人で始めるなら、設立費用が安く、運営も柔軟な「合同会社」も有力な選択肢です。ただし、将来的に外部からの出資を考えたり、社会的信用を最大化したいなら「株式会社」を選びましょう。
- 資本金:最低でも、設立費用+3ヶ月程度の生活費(役員報酬)+運転資金を合わせた額は用意したいところです。税務メリットを最大限に活かすため、必ず1,000万円未満に設定します。
- 事業目的:これが、非常に重要です。「コンピュータソフトウェアの企画、開発、販売」「Webサイトの企画、制作、運営」「ITに関するコンサルティング業務」「SES(システムエンジニアリングサービス)事業」といった、現在行っている事業はもちろん、将来、少しでも手掛ける可能性のある事業(例えば、「自社プロダクトの開発・運営」や「IT教育事業」など)も、漏れなく記載しておきましょう。
STEP 2:定款の作成・認証
STEP 1で決めた内容を基に、会社の憲法である「定款」を作成し、株式会社の場合は、公証役場で認証を受けます。
STEP 3:資本金の払込み
あなた個人の銀行口座に、定款で定めた資本金を振り込み、その通帳のコピーを、払込みの証明書として準備します。
STEP 4:法務局への登記申請
全ての書類を揃え、法務局へ登記申請を行います。この申請日が、あなたの会社の「設立日」となります。
STEP 5:設立後の各種届出
登記が完了したら、税務署、都道府県、市区町村、そして年金事務所へ、会社が誕生したことを届け出ます。特に、税務署への「青色申告承認申請書」は、設立から3ヶ月以内という、厳しい期限があるので、絶対に忘れてはいけません。
結論:あなたの「技術」を、守り、育てるための「法人」という器
法人成りは、単なる節税のための、小手先のテクニックではありません。
それは、あなたが、これまでの努力で築き上げてきた、高い技術力と、事業の価値を、過大な税負担から「守り」、
社会的信用という、新たな「翼」を授け、
そして、有限責任という「安全ネット」の上で、より大きな未来の挑戦へと、あなたを解き放つための、最も強力な「経営戦略」なのです。
その複雑で、しかし、あなたの未来を大きく変える可能性を秘めた、重要な意思決定と手続きを、どうか、一人で悩まないでください。
私たち荒川会計事務所は、ITエンジニア、フリーランスの皆様の、法人化に関する、あらゆる課題を解決するための、専門家です。あなたの現状の収支から、最も手取り額が最大化する、最適な役員報酬額をシミュレーションし、あなたの事業戦略に完璧に合致した、会社設立の全プロセスを、ワンストップでサポートします。
あなたの手取り、年間100万円以上、損していませんか?
まずは無料相談で、あなたが法人化した場合の「具体的な節税額」を、シミュレーションしてみませんか?
その数字が、あなたの未来を変える、最初の一歩になるかもしれません。
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