【創業融資の面談】絶対に言ってはいけないNGワード10選|落ちる人の共通点

完璧な事業計画書、そして万全の準備を整え、あなたは今、人生を賭けた大一番、「創業融資の面談」のその扉の前に立っています。

わずか30分から1時間。この短い時間が、あなたの事業が力強く離陸するための数百万、数千万円の「燃料」を手にできるか、それとも夢破れて再び振り出しに戻るかを決定づける運命の分かれ道です。

多くの起起業家が、この面談を「自分の情熱を伝えるただの話し合い」だと誤解しています。しかし、それは全く違います。

創業融資の面談とは、あなたの「事業家としての資質」の全てが問われる、極めて厳格な「口頭試験」なのです。

そして、その試験官(融資担当者)は、あなたが無意識のうちに発するたった一言の「NGワード」を聞き逃しません。その一言が、どれほど素晴らしい事業計画書も一瞬で無価値な紙切れに変えてしまう強力な「破壊力」を持っていることを、あなたはまだ知らないかもしれません。

この記事は、そのあなたの夢を破壊しかねない「地雷」からあなたを完全に守るための、究極の「面談対策マニュアル」です。なぜその言葉が審査官の心を氷のように冷たくさせてしまうのか。その深層心理を解き明かし、その地雷を逆にあなたの評価を劇的に高める「OKワード」へと変換するためのプロフェッショナルな「言い換え術」まで。新宿で数えきれないほどの起業家を勝利の握手へと導いてきた私たちが、その全てのノウハウをここに公開します。

第1章:【審査官の思考】彼らが探しているのは「夢」ではなく「リスク」

まず、対峙する相手の思考回路を完全に理解しましょう。融資担当者の仕事はあなたの夢を応援することではありません。彼らの絶対的な使命は、「貸したお金が将来1円も焦げ付くことなく完全に回収できるか、その『リスク』を徹底的に見極めること」です。

彼らはあなたの言葉の一言一句を、「この発言は将来のどのような返済不能リスクに繋がる可能性があるか?」というただ一つのフィルターを通して聞いています。

これから紹介するNGワードは、まさにそのフィルターに赤インクで大きく「危険」とマーキングされてしまう言葉たちなのです。

第2章:【カテゴリー別】あなたの評価を地に落とす10のNGワードと、その言い換え術

それでは、具体的なNGワードを「計画性の欠如」「リスク認識の甘さ」「当事者意識の欠如」という3つのカテゴリーに分けて、その対処法と共に見ていきましょう。

カテゴリーA:【計画性の欠如】を露呈するNGワード

審査官が最も嫌うのが「どんぶり勘定」の経営者です。以下の言葉は、あなたが数字に弱く、計画性がないことを自ら白状するものです。

NGワード vs OKワード:計画性の欠如

NGワード(精神論・願望) OKワード(論理・根拠)
1.「売上は、たぶん大丈夫だと思います 「売上は、通行量調査に基づき試算しています
2.「資金は、あればあるだけ助かります」 「設備資金〇〇円と運転資金〇ヶ月分、合計〇〇円が必要です
3.「広告は、とりあえずSNSを頑張ろうと思います」 「集客チャネルはInsta広告(予算〇円)とフリーペーパー〇〇です」

NGワード 1:「売上は、たぶん大丈夫だと思います」

審査官の心の声:「『たぶん』?『思う』?ビジネスは願望や勘で行うものではない。この人物は自社の売上という事業の根幹を具体的な数字で把握・管理する能力がない、極めて危険な経営者だ。」

なぜダメなのか?:この言葉は、あなたの事業計画書の売上計画の全ての数字が、客観的な根拠に基づかない「希望的観測」であることを自ら白状しているようなものです。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、売上計画につきましては、店舗前の通行量調査の結果と近隣の競合店A、Bの客席稼働率の実地調査に基づき、最も保守的な数値として開業当初3ヶ月は一日平均〇〇人と試算しております。その計算根拠は、こちらの補足資料〇ページに詳細を記載しております。」

NGワード 2:「資金は、あればあるだけ助かります」

審査官の心の声:「『あればあるだけ』?この人は自分の事業を始めるのに一体何にいくら必要なのか全く分かっていない。資金計画が完全にどんぶり勘定だ。こんな人物に大きなお金は絶対に貸せない。」

なぜダメなのか?:融資は必要な金額を必要な目的のために貸し出すものです。「いくら必要か」を1円単位で論理的に説明できない経営者はその時点で失格です。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、必要な資金の内訳はこちらの資金使途明細書の通り、設備資金が合計で〇〇円、運転資金が月々の固定費・変動費の合計〇〇円の6ヶ月分にあたる〇〇円。合計で〇〇〇円となります。自己資金〇〇円を差し引き、〇〇〇円の融資を希望いたします。」

NGワード 3:「広告は、とりあえずSNSを頑張ろうと思います」

審査官の心の声:「『とりあえず』?『頑張る』?集客は事業の生命線だ。その最も重要な活動に対して具体的な戦略がなく精神論に終始している。これでは顧客が集まらず売上が立たない典型的な失敗パターンだ。」

なぜダメなのか?:集客方法が具体的でかつ現実的でなければ、売上計画そのものが絵に描いた餅となります。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、主要な集客チャネルは2つ計画しております。第一に、ターゲット顧客である新宿区在住の30代女性にリーチするため、Instagram広告を月額〇万円の予算で出稿します。第二に、開業前から地域のフリーペーパー〇〇と連携しプレオープンの告知記事を掲載する予定です。具体的な広告プランはこちらの資料の通りです。」

カテゴリーB:【リスク認識の甘さ】を露呈するNGワード

次に審査官が警戒するのは「楽観的すぎる」経営者です。事業の困難さを理解せず、リスクを直視できない人物にお金は貸せません。

NGワード vs OKワード:リスク認識の甘さ

NGワード(楽観・夢想) OKワード(現実・対策)
4.「この事業に、競合は いません 「競合はA社とB社です。A社の弱みは〇〇であり、当社の強みで勝てます
5.「(計画未達なら)その時に考えます 「売上70%の場合の対応計画も準備しています。まず役員報酬をカットし…」
6.「絶対に成功します」 「絶対はありません。しかし考えうる全ての準備をしてきたと確信しています

NGワード 4:「この事業に、競合は いません」

審査官の心の声:「競合がいない?そんな夢のような市場はこの世に存在しない。この人物は市場調査を全く行っていないか、あるいは極めて傲慢で視野の狭い人間だ。どちらにせよ経営者としての資質に重大な疑問符が付く。」

なぜダメなのか?:この一言はあなたのリサーチ不足とビジネスの現実に対する無知を一瞬で露呈させます。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、直接的な競合としてはA社とB社が挙げられます。A社の強みは価格の安さですが、品質面での顧客満足度が低いという弱みがあります。一方B社は高品質ですが価格帯が高すぎます。私どものサービスは、B社と同等の品質をA社に近い価格帯で提供することで、両社が取りこぼしている中間層の顧客を獲得できる明確な勝算があります。」

NGワード 5:「計画通りにいかなかったら、その時に考えます」

審査官の心の声:「『その時に考える』?事業は計画通りにいかないことの連続だ。最悪の事態をあらかじめ想定しそのための次の一手を準備しておくのが経営者の最低限の責任だろう。この人はあまりにも楽観的で無責任だ。」

なぜダメなのか?:リスク管理能力の欠如を自ら証明するようなものです。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、もし売上が計画の70%に留まった場合のコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)も準備しております。その場合はまず広告宣伝費を〇%削減し、次に仕入先の見直しによって原価率を〇%改善します。それでもキャッシュフローが厳しい場合は、役員報酬を一時的に〇万円まで引き下げることで損益分岐点を引き下げ、事業の継続を図ります。詳細なシミュレーションはこちらの資料をご覧ください。」

NGワード 6:「絶対に成功します」

審査官の心の声:「『絶対』?ビジネスの世界に絶対はない。その言葉は情熱の表れではなく、むしろリスクを直視できていない未熟さの証拠だ。」

なぜダメなのか?:根拠のない自信過剰な発言は、あなたの客観的な分析能力の欠如を示唆します。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、もちろん事業に絶対はありません。しかし私はこの計画を成功させるために、考えうる全てのリスクを洗い出し、その全ての対策を講じてまいりました。この徹底した準備こそが、本事業の成功確率を最大限に高めるものであると確信しております。」

カテゴリーC:【当事者意識の欠如】を露呈するNGワード

最後に、審査官が最も失望するパターンです。それは「この事業は本当にこの人のものなのか?」と疑問を抱かせる発言です。

NGワード vs OKワード:当事者意識の欠如

NGワード(他人任せ) OKワード(自分が主体)
7.「計画書は税理士に作ってもらいました 「計画書の骨子は私が作成し、税理士には財務の精度を高めるサポートを依頼しました」
8.「詳しくは資料に書いてある通りです」 「はい、資料〇ページの通りですが、特に重要な点は…(と自分の言葉で補足)」
9.「自己資金は親から借りました 「自己資金の一部は父から返済不要の『贈与』を受けました。贈与契約書もございます」
10.「(質問に)分かりません 「恐れ入ります、その点は認識不足でした。明日までに調査しメールでご回答します

NGワード 7:「事業計画書は、専門家(税理士)に作ってもらいました」

審査官の心の声:「なるほど。だから書類だけは立派だったのか。しかしこの計画は、この人自身の頭と心から生まれたものではない。ただの借り物の言葉だ。これでは計画を実行し困難を乗り越えることはできないだろう。」

なぜダメなのか?:事業計画書はあなたの事業への理解度と当事者意識を測るためのものです。それを他人に「作ってもらった」と公言する行為は、自ら「私はこの事業の素人です」と宣言しているようなものです。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、この事業計画書の骨子と事業戦略は全て私自身が作成いたしました。その上で、財務計画の数値の精度を高め、専門的な視点からの客観的なアドバイスをいただくため、顧問税理士である〇〇先生にサポートをお願いしました。」

NGワード 8:「詳しくは、資料に書いてある通りです」

審査官の心の声:「資料は読んでいる。私が聞きたいのはその行間に隠されたあなたの生の声だ。自分の計画を自分の言葉で語れないのか。」

なぜダメなのか?:面談は書類の読書会ではありません。あなたの当事者としての深い理解度と情熱を試す場です。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、ご質問の点につきまして、資料の〇ページに記載しておりますが、特に重要なポイントは〇〇という点です。これは私が前職で△△という経験をした際に痛感したことであり…(と自分の言葉で補足説明を加える)」

NGワード 9:「自己資金は、親から借りました」

審査官の心の声:「『借りた』?ということは、これは自己資金ではなく『負債』だ。この人は私たちの融資と親への返済という『二重債務』を抱えることになる。返済計画が根本から破綻している。」

なぜダメなのか?:親からの資金援助はそれ自体が悪いことではありません。しかしそれが「借金」である場合、あなたの返済負担を倍増させます。

こう言い換えろ!OKワード:
「はい、自己資金の一部は父から『返済不要の贈与』として援助を受けました。その証拠として、こちらに父と取り交わした『贈与契約書』をご用意しております。」

NGワード 10:「(質問に対して)分かりません」

審査官の心の声:「分からない…?自分の事業の根幹に関わる質問に対して『分からない』と答える経営者がいるのか…。」

なぜダメなのか?:経営者は事業の全ての側面について答えを出す責任があります。この一言は、その責任を放棄したと見なされます。

こう言い換えろ!OKワード:
「大変申し訳ございません。その点につきましては現在私の認識が及んでおりませんでした。面談終了後、直ちに調査・検討し、明日までにメールにてご回答させていただいてもよろしいでしょうか。」

この誠実な対応があなたの真摯な姿勢を示し、むしろ評価を高めることさえあります。

第3章:【FAQ】「創業融資の面談」に関する一歩進んだ疑問

最後に、面談を目前に控えた起業家の皆様から、私たちが特によくお受けする、より具体的なご質問とその回答をQ&A形式でまとめました。

Q1. 担当者から、事業計画の「弱点」を厳しく指摘されました。どう答えれば挽回できますか?

A1. これはあなたの経営者としての「器」が試される、最大の、そして最高のチャンスです。

絶対にやってはいけないNG対応
「そんなことはありません」「それは違います」と感情的に反論したり、言い訳をしたりすること。これは「この人物は他人の意見に耳を傾けられない独善的な経営者だ」という最悪の印象を与えます。

神対応と言えるOK対応
まず相手の指摘を100%受け入れ、感謝することから始めます。「ご指摘、誠にありがとうございます。そのリスクについては私自身も最大の懸案事項として認識しております」と、相手の懸念に完全に寄り添うのです。

その上で、「そのリスクを最小化するために私は〇〇という具体的な対策を講じております。それでもなおご懸念の点がございましたら、どのような対策が有効であるとお考えになりますでしょうか。ぜひプロとしてのご意見をお聞かせいただけますと幸いです」と、相手を「審査官」から「アドバイザー」へと巻き込んでしまうのです。

この素直さ、謙虚さ、そして学ぶ姿勢こそが「この起業家は困難に直面しても人の意見を聞き入れ成長できる有望な人材だ」という最高の評価を勝ち取るのです。

Q2. 専門家(税理士)に面談に同席してもらうことはできますか?そのメリットは?

A2. はい、もちろん可能です。そして、もしあなたが数字に関する説明や専門的な質疑応答に少しでも不安を感じるのであれば、専門家の同席はあなたの融資成功確率を劇的に引き上げる極めて有効な戦略です。

専門家が面談で果たす3つの役割

  1. 【信頼性の担保】:専門家があなたの隣に座っているという事実そのものが、「この事業計画はプロの第三者による客観的なチェックを受けている」という何よりの証明となります。
  2. 【財務の翻訳家】:融資担当者からの専門的な財務に関する質問(「損益分岐点売上高は?」「債務償還年数は?」など)に対してあなたが答えに詰まった際に、私たちがあなたの代わりに専門用語で論理的に完璧に回答します。
  3. 【情熱と論理の共同作業】:あなたが事業の「ビジョン」や「情熱」を語り、私たちがそのビジョンを裏付ける「数字」と「ロジック」を語る。この役割分担による完璧なプレゼンテーションが、担当者の感情と理性の両方に強く訴えかけます。

Q3. 面談の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれました。何を聞けば良い印象を与えられますか?

A3. ここはあなたの最後のアピールの場です。「特にありません」と答えるのはあまりにも勿体無い。

避けるべきNGな質問
「融資、通りそうでしょうか?」「いつ頃結果は分かりますか?」といった結果を急かしたり、担当者を困らせたりするような質問。

評価を高めるOKな質問
あなたの真剣さと前向きな姿勢を示す以下のような質問が有効です。

  • 「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。本日ご説明させていただいた計画の中で、もしご懸念の点やさらに補足説明が必要な点がございましたら、いつでも追加の資料を提出させていただきたいのですが、いかがでしょうか。」
  • 「もし今回無事にご融資いただけた場合、事業が軌道に乗った後の追加融資のご相談なども、引き続き〇〇様(担当者名)にご相談させていただくことは可能でしょうか。」

結論:面談は「準備」が9割9分

創業融資の面談は、あなたのアドリブ能力を試す場ではありません。

それは、あなたが事前にどれだけ深く事業について考え抜き、あらゆる厳しい質問を想定し、その全ての「答え」を準備してきたかを確認するだけの、いわば「答え合わせ」の場なのです。

そして、私たち創業支援の専門家(税理士)の本当の価値は、単に綺麗な事業計画書を作成することにあるのではありません。

私たちの本当の価値は、あなたのその「答え合わせ」が完璧なものになるよう、金融機関の審査官以上に厳しくそして意地悪な「模擬試験官」となり、あなたを本番のその日まで徹底的に鍛え上げることにあるのです。

あなたの人生を賭けた「口頭試験」、
たった一人で臨みますか?

そのたった一言の失言で全てを失う前に。
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記事執筆監修者

荒川会計事務所(経営革新等支援機関(認定支援機関))代表税理士・登録政治資金監査人・行政書士の荒川 一磨です。

    

会社設立と創業融資を得意とし、何でも相談できる話しやすいパートナーであることを心掛けている事務所です。

事務所所在地 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-5-16 霞ビル8F

電話番号 0120-016-356

所属 東京税理士会四谷支部・東京行政書士会新宿支部

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