「自分の力で、新しい価値を世の中に生み出したい!」
その熱い想いを胸に「会社を立ち上げよう」と決意した瞬間、あなたの目の前には、希望に満ちた未来へと続く、長く、そして壮大な道が拓かれました。
しかし、いざその第一歩を踏み出そうとした時、ふと気づくのです。道はあまりにも広く、どこに続いているのか見当もつかない。標識は何もなく、右も左も分からない…。壮大な夢と、目の前の現実とのギャップに、立ちすくんでしまってはいませんか?
「会社を立ち上げたい。でも、一体、何から始めたらいいんだろう…?」
もしあなたが今そう感じているのなら、ご安心ください。Amazonの創業者ジェフ・ベゾスも、ソフトバンクの孫正義氏も、どんな偉大な起業家も、最初はあなたと全く同じ「何から始めたらいいか分からない」という場所に立っていました。大切なのは、最初からすべてを知っていることではありません。正しい地図を手に取り、信頼できるガイドと共に、着実に一歩ずつ進んでいくことです。
この記事は、そんなあなたのための「最初の教科書」であり、「冒険の地図」です。新宿というビジネスの荒野で、数えきれないほどの冒険(起業)をサポートしてきた私たちが、会社設立というゴールまでの全行程を、具体的な「7つのステップ」に分けて、世界一やさしくナビゲートしていきます。
【冒険の地図】会社設立までの全行程 7つのステップ
まずは、これから始まる冒険の全体像を掴みましょう。会社設立は、大きく分けて以下の7つのステップで進んでいきます。
Step 1:【設計図】事業計画を立て、会社の骨格を決める
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Step 2:【ハンコ】会社の印鑑を準備する
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Step 3:【憲法】会社のルールブック「定款」を作り、認証を受ける
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Step 4:【元手】資本金を自分の口座に振り込む
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Step 5:【国への届出】法務局へ登記を申請する(=会社設立日!)
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Step 6:【誕生後】税務署などへの届出と、銀行口座の開設
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Step 7:【出航!】事業の開始
それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。
STEP 1:【設計図】事業計画を立て、会社の骨格を決める
すべての物語がプロットから始まるように、すべての会社は「事業計画」という設計図から始まります。これは、会社設立のプロセスにおいて最も重要で、最も時間とエネルギーを注ぐべきステップです。
- 何をする?
「誰に、何を、どのように提供し、どうやって儲けるのか」というビジネスの根幹を、具体的な言葉と数字に落とし込んでいきます。この過程で、会社の基本情報である「会社名(商号)」「事業目的」「本店所在地」「資本金の額」なども具体的に決まっていきます。 - 初心者がつまずくポイント
「自分のアイデアは最高だ!」という情熱だけで突っ走ってしまい、客観的な市場分析や、具体的な収益計画(売上、経費、利益の見込み)が疎かになりがちです。「なんとなく儲かりそう」というフワッとした計画では、次のステップに進むことはできません。 - プロの視点:創業融資は、この段階で動く!
もしあなたが、日本政策金融公庫などからの創業融資を考えているなら、融資の申し込み準備は、このSTEP 1と完全に並行して進めるのが鉄則です。なぜなら、融資審査の核となるのが、まさにこの事業計画書だからです。創業支援に強い税理士は、あなたの熱い想いを、金融機関の担当者が「これなら貸せる!」と納得するような、論理的で説得力のある「数字の物語」に翻訳するプロフェッショナルです。この最初の設計段階で税理士をパートナーに迎えることが、その後の資金調達、ひいては事業の成功確率を劇的に高めるのです。
STEP 2:【ハンコ】会社の印鑑を準備する
設計図が固まったら、次は物理的な準備です。会社の意思決定を正式なものにするための「印鑑」を作成します。
- 何をする?
最低でも以下の3つは準備しましょう。
① 代表者印(法人実印):法務局に登録する、会社で最も重要な印鑑。
② 銀行印:銀行口座の開設や、手形・小切手の発行に使う印鑑。
③ 角印(社印):請求書や見積書など、日常的な書類に押す印鑑。 - 初心者がつまずくポイント
「全部同じハンコでいいや」「とにかく安いもので済ませよう」と考えてしまいがち。しかし、セキュリティリスクや、会社の「顔」としての信頼性を考えると、これは悪手です。 - プロの視点:
万が一の紛失や盗難、悪用リスクを避けるため、代表者印と銀行印は必ず別のデザインで作成してください。印鑑は、これから何年、何十年とあなたの会社と共に歩む大切なシンボルです。耐久性のある良質な素材を選び、信頼できる印鑑専門店で作成することをお勧めします。
STEP 3:【憲法】会社のルールブック「定款」を作り、認証を受ける
会社のすべての活動の基礎となる、最も重要な書類「定款(ていかん)」を作成します。
- 何をする?
STEP 1で決めた会社名、事業目的、本店所在地、資本金といった基本情報を盛り込み、会社の根本規則を定めた書類を作成します。株式会社の場合、作成した定款を「公証役場」という場所に持っていき、「この定款は、正式な手続きを経て作成された、正当なものですよ」というお墨付き(認証)をもらう必要があります。 - 初心者がつまずくポイント
定款には、法律で定められた「絶対に記載しなければならない事項」があり、一つでも漏れていると無効になってしまいます。また、STEP 1で触れたように、許認可に必要な文言を入れ忘れるなど、後々の事業展開に支障をきたすミスも起こりがちです。 - プロの視点:4万円節約できる「電子定款」
このステップこそ、専門家に依頼するメリットが最も分かりやすく現れます。司法書士などの専門家が「電子定款」という方法で作成すれば、通常、紙の定款に貼らなければならない4万円の収入印紙が不要になります。専門家への報酬を支払っても、自分で紙の定款を作るより安くなるケースがほとんどです。税理士に相談すれば、事業内容に最適な定款作成に強い司法書士とスムーズに連携できます。
STEP 4:【元手】資本金を自分の口座に振り込む
定款で「資本金は〇〇円にします」と宣言したお金を、実際に用意したことを証明するステップです。
- 何をする?
発起人(会社設立の中心人物)の個人名義の銀行口座に、定款で定めた資本金以上の金額を振り込みます。そして、その記録が記載された通帳のページをコピーします。これが「資本金を払い込んだ証明書」になります。 - 初心者がつまずくポイント
「会社の口座はまだないけど、どこに振り込めばいいの?」と混乱しがちです。あくまで、この段階では発起人個人の口座でOKです。また、コピーするページ(通帳の表紙、支店名などが書かれた1ページ目、振込が記帳されたページ)を間違えやすいので注意が必要です。
STEP 5:【国への届出】法務局へ登記を申請する(=会社設立日!)
いよいよ、あなたの会社を法的に誕生させるための最終手続きです。
- 何をする?
STEP 4までに準備したすべての書類(登記申請書、定款、資本金の払込証明書、役員の就任承諾書、印鑑届書など)を揃え、本店所在地を管轄する法務局に提出します。この書類を法務局が受理した日が、あなたの会社の「設立日」となります。 - 初心者がつまずくポイント
提出書類の種類が非常に多く、一つ一つの書類に細かなルールがあるため、不備が起こりやすいステップです。書類の不備を指摘され、何度も法務局に足を運ぶことになると、時間も労力も大幅にロスしてしまいます。 - プロの視点:
この複雑で厳格な手続きは、登記の専門家である司法書士に任せるのが最も確実で効率的です。あなたが法務局とのやり取りに奔走している間に、ライバルは営業活動を始めているかもしれません。経営者は、時間という最も貴重な資源を、手続きではなく、事業そのものに投下すべきです。
STEP 6:【誕生後】税務署などへの届出と、銀行口座の開設
登記が完了し、無事に会社が誕生しました!しかし、まだ息は抜けません。事業を本格的にスタートさせるための、重要な手続きが残っています。
- 何をする?
登記が完了したら、法務局で「登記簿謄本」を取得できるようになります。これを取得したら、すぐに金融機関で「法人口座」を開設します。並行して、税務署や都道府県税事務所、年金事務所などに「会社ができました」という各種の届出を行います。 - 初心者がつまずくポイント
登記完了という大きなゴールを達成した安堵感から、これらの届出を後回しにしてしまいがちです。特に、税務署への「青色申告の承認申請書」は、設立から3ヶ月以内という期限があり、出し忘れると初年度の大きな節税メリットをすべて失うという致命的なミスに繋がります。 - プロの視点:
設立後の手続きは種類が多く、提出先もバラバラ、期限もタイトなものが多いため、専門家なしで完璧にこなすのは至難の業です。設立後のこれらの手続きこそ、顧問税理士の真価が発揮される場面です。税理士に任せることで、あなたは安心して事業のスタートダッシュに集中できます。
STEP 7:【出航!】事業の開始
すべての手続きを終え、いよいよあなたの船が大海原へと漕ぎ出す時です。
- 何をする?
作成したホームページを公開し、名刺を配り、商品やサービスを世の中に提供し始めます。STEP 1で描いた事業計画を、現実の世界で実行していくフェーズです。 - プロの視点:
出航後も、航海は続きます。計画通りに売上は立っているか?資金はショートしないか?顧問税理士は、設立後も毎月の業績をチェックし、資金繰りを管理し、時には経営の悩み相談に乗ることで、あなたの航海が座礁しないよう、すぐ隣で伴走し続ける「航海士」の役割を担います。
まとめ:道に迷ったら、まず信頼できるガイドを探そう
会社設立までの7つのステップ、いかがでしたでしょうか。思ったよりも長く、険しい道のりに感じられたかもしれません。
「何をしたらいいか分からない」という状態は、決して恥ずかしいことではありません。それは、あなたが未知の領域へ挑戦しようとしている勇敢な証拠です。そして、そんな時、最も賢明な選択は、一人で悩み続けることではなく、その道を知り尽くしたプロのガイド(専門家)を探すことです。
特に、全体の道のりを見渡し、資金調達という最大の難所をナビゲートし、航海が始まった後も隣で羅針盤を指し示してくれる。そんな役割を果たせるのが、私たち創業支援に強い税理士です。
あなたが今、どのステップにいて、どこで迷っているのか。まずは、私たちにあなたの現在地と目的地を教えてください。新宿で起業という偉大な冒険を始めるあなたを、私たちは全力でサポートします。

