新宿で起業や会社設立を検討している方にとって、最初の大きなハードルとなるのが「設立費用」です。
株式会社を設立する際には、資本金だけでなく、定款認証や登録免許税といった法定費用が発生します。
また、会社設立後の運営をスムーズに進めるためには、資金計画を正確に立てることが重要です。
本記事では、新宿で株式会社を設立する場合の費用の内訳から、費用を抑える方法、専門家に依頼する場合の料金相場まで、最新情報を踏まえて解説します。
株式会社の設立費用は、大きく以下の3つに分類されます。
- ① 法定費用(国や自治体に支払う費用)
- ② 事務的費用(印鑑作成、書類印刷、郵送など)
- ③ 専門家への依頼費用(税理士・司法書士・行政書士)
特に法定費用は、会社法(平成17年法律第86号)や商業登記規則に基づき全国一律ですが、それ以外の部分は地域や依頼先により異なります。
全ての手続きを自分で行う場合、必要となる代表的な費用は次の通りです。
費用項目 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|
定款認証手数料 | 50,000円 | 公証役場で支払う(会社法第30条) |
収入印紙代 | 40,000円 | 紙定款の場合のみ。電子定款なら不要 |
定款謄本手数料 | 約1,000円/冊 | 公証役場で取得 |
登録免許税 | 150,000円〜 | 資本金額により変動(商業登記法第47条) |
会社実印作成 | 約5,000円〜 | 材質により異なる |
印鑑証明書発行 | 約300円 | 市区町村窓口で取得 |
登記事項証明書 | 約500円/通 | 法務局で取得 |
合計では約20〜24万円程度が目安です。
ただし、資本金を高く設定する場合や、定款のページ数が多い場合には費用が増えることがあります。
株式会社設立時に作成する「定款」は、紙で作成する方法と、電子データとして作成する方法があります。
紙定款の場合は収入印紙代40,000円が必要ですが、電子定款ではこの費用が不要になります。
電子定款は、Adobe Acrobatなどの電子署名機能を用い、法務省のオンライン申請システムを通じて作成します。
自分で電子定款を作成するには電子証明書やICカードリーダーが必要で、準備コストがかかるため、税理士や行政書士に依頼して電子定款化するケースが多いです。
登録免許税は「資本金額×0.7%」が基本(最低額15万円)です。
例えば、資本金が500万円の場合:
- 500万円 × 0.7% = 35,000円(15万円を下回るため、15万円)
- 資本金3,000万円の場合:3,000万円 × 0.7% = 210,000円
株式会社設立を税理士や司法書士に依頼する場合、費用は次のようになります。
依頼先 | 報酬額(目安) | 特徴 |
---|---|---|
税理士 | 5万〜15万円 | 設立後の会計・税務顧問契約がセットのことが多い |
司法書士 | 5万〜10万円 | 登記業務に強い |
行政書士 | 3万〜8万円 | 定款作成代行に強い |
特に新宿のようにビジネススピードが早い環境では、設立準備期間を短縮する価値は大きいです。
新宿は都内有数のビジネス拠点であり、新宿公証役場や東京法務局 新宿出張所が近距離に位置しているため、定款認証や登記申請の移動がスムーズです。
また、周辺には銀行や税務署(新宿税務署)が集まっており、設立後の口座開設や税務届出も短期間で行えます。
アクセスの良さから、顧客との商談や採用活動にも有利です。
資本金は、会社法第445条に基づき1円から設定可能ですが、実務的には信用力や融資審査を考慮して数十万〜数百万円以上を設定するケースが多いです。
資本金が少なすぎると、取引先や金融機関からの信頼を得にくく、特に創業融資(日本政策金融公庫・制度融資)の審査において不利になることがあります。
一方、資本金を多く設定すると登録免許税が増えるため、事業計画と資金繰りを踏まえてバランスの良い金額を決めることが重要です。
株式会社設立費用を削減する方法として、次のような選択肢があります。
- 電子定款の活用(収入印紙代4万円の節約)
- 会社印鑑をネット通販で発注(高品質でも低価格)
- 登記事項証明書は必要枚数のみ取得
- 創業時特典のある士業事務所を利用(顧問契約で設立費用無料)
会社設立後の資金調達では、日本政策金融公庫の新創業融資制度や、東京都・新宿区の制度融資が活用されます。
これらの融資制度は、資本金だけでなく自己資金の有無、事業計画の内容、業種による信用リスクを総合的に判断します。
特に自己資金ゼロでの融資申請は極めてハードルが高いため、最低でも創業資金の1/10〜1/3程度は自己資金を用意しておくと良いでしょう(金融機関実務経験則)。
株式会社設立後、税務署・都税事務所・年金事務所への届出が必要です。
- 税務署:法人設立届出書(法人税法第148条)、青色申告の承認申請書 など
- 都税事務所:法人設立・設置届出書
- 年金事務所:新規適用届、被保険者資格取得届
提出期限を過ぎると税務上の優遇措置を受けられなくなる場合があるため、注意が必要です。
新宿で会社設立を税理士に依頼するメリットは、次の通りです。
- 設立手続きと税務・会計サポートをワンストップで受けられる
- 電子定款での設立により費用削減が可能
- 創業融資の申請支援(事業計画書作成・金融機関面談対策)
- 節税スキームの事前提案(役員報酬設定など)
当事務所では、新宿区内での株式会社設立サポートを多数手がけています。
例えば、ITスタートアップ企業の場合、電子定款作成・登記書類作成・創業融資申請をセットで行い、設立から融資実行まで最短1.5か月で完了した事例があります。
また、飲食業開業の場合には、新宿区保健所の営業許可申請や、東京都の防火対象物使用開始届も併せて支援し、スムーズな開業を実現しました。
- Q1. 自己資金ゼロでも会社設立は可能ですか?
- 可能ですが、創業融資や信用面では不利になります。最低限の資本金と運転資金を確保しておくことを推奨します。
- Q2. 新宿で会社設立を行うメリットは何ですか?
- 新宿公証役場や法務局、銀行、税務署などの行政機関が集中しており、手続きや営業活動の効率が高い点です。
- Q3. 定款認証費用を節約する方法はありますか?
- 電子定款を利用することで収入印紙代4万円を節約できます。税理士・行政書士に依頼するのが一般的です。
- Q4. 設立後の税務手続きは自分でできますか?
- 可能ですが、青色申告や消費税の届出期限を逃すリスクがあります。税理士に依頼することでミス防止ができます。
- Q5. 資本金はいくらが妥当ですか?
- 事業計画や融資希望額によりますが、最低でも100万円以上を目安にすると信用面で有利です。

