法人成りした場合の個人事業からの債務引き受けのポイント
個人事業主が法人成りした際に、個人事業の債務を法人が引き受けることを「債務引受」といいます。
債務引受を行う際のポイントは、事前にさまざまな調整をしておくことです。
特に、個人が金融機関から融資を受けている場合は金融機関との調整が求められます。
また、信用保証協会の保証付融資を受けている場合には金融機関の他に信用保証協会との調整も必要です。
金融機関に債務引受を相談をすると、次の3つのうち適した方法が提案されます。
1.個人と会社がともに引き受ける「重畳的債務引受」
2.会社が単独で引き受け、個人が連帯保証人となる「免責的債務引受」
3.個人で受けた借入金をいったん全額返済し、新たに会社で融資を受ける方法
上記のうち一番簡単なのは3の個人で完済する方法ですが、資金を用意しなければなりません。
そのため、一般的には2の「免責的債務引受」で行われることが多いようです。
なお、引き受ける債務が資産より大きい場合は、資産額を超える債務額に役員賞与認定課税が行われることもあります。
所得税等の負担が発生しないよう、引き継ぐ資産と債務のバランスにも注意してください。